日本企業がグローバル進出する場合、日本のブランディングをそのまま海外に持って行くか、または進出する国毎に合わせるか。
企業にとっては、勝敗の分かれ道です。
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日本のデザインスタイルのままでは、海外では通用しない
最近やっとオーストラリアでも、日本のある商品が買えるようになって嬉しくなったのですが、商品を見るなり愕然としてしまいました。
どうしてもいてもたってもいられなくて、この記事を書くことにしました。
何でこのデザインになっちゃったの?

私が、衝撃を受けてこの記事を書こうと思ったきっかけのパッケージデザインです。
実はこれ、日本や外国人にも大人気のあのロート製薬のHADA LABOなんです。

初めて見た時は、これがあのHADA LABOとは思えませんでした。
まず、ロゴはHADA LABO TOKYO、そしてブランドカラーはピンク寄りの赤、パッケージには日本の象徴とも言える桜があしらわれています。
極め付けはJAPAN No.1と銘打っている所、何もかもあのHADA LABOからかけ離れていて衝撃でした。
Webで使用されているボールド体のフォントも、ブランドの雰囲気に合っていないように私は感じました。
そして高級路線なのか、お値段が強気です。日本でのHADA LABOの値段を知っているだけに、こちらにも驚きが隠せませんでした。
他のブランドと差別化を図り過ぎた結果なのか

ラボ系コスメブランドもあることから、それらのブランドとの差別化を図った為なのでしょうか。
数あるラボ系コスメで、パッと頭に思い浮かぶ海外のブランドは、フランスのLa Roche Posay、Avene、Bioderma、カナダのThe Ordinary、アメリカのCLINIQUE、Kiehl’sあたりでしょうか。




どのブランドもクリーンで調剤やラボで研究しているイメージのブランディングですね。
そしてどのブランドもデザインは全界共通です。
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▶︎オーストラリアのドラッグストアで買える、敏感肌用スキンケアブランド
まだ、日本を連想させるようなベタなデザインは求められているのか

ここでは、海外進出における各企業のマーケティング戦略については、省きます。ロゴやパッケージなどのデザインに焦点を当てます。
ユニクロ、MUJIはグローバル進出して、成功しています。
特にユニクロは機能性ファッションの地位を確立しました。
また、色々な高級ブランドとのコラボ商品を出していて、ブランドイメージがだんだんと高級路線になってきていますね。
同ブランド共に軸となるブランディングやパッケージデザインは、全世界共通です。
同ブランド共に日本を押し出すようなデザインはしていませんが、日本人特有のこだわりは忘れていません。
そのこだわりと柔軟性の共存が、グローバルでの成功に導いたのでしょう。

日本のHADA LABOのパッケージデザインは、グローバルで戦える素晴らしいデザインだと個人的に思っています。
HADA LABOは認知度を上げたいが為に、日本を押し出すパッケージデザインになってしまったのかも知れませんね。
個人的には、あの日本のHADA LABOのロゴもユニクロやMUJIのロゴのように、そのままローマ字表記でも良いのでは?と思ってしまいました。
海外でブランディングが違う日本ブランド
食品系のブランドは、商品そのものやそのパッケージデザインをより進出する国に合わせてローカライズ(現地向け)する必要があります。
ローカライズとは、製品・サービス(ソフトウェアやアプリケーションなども含む)・コンテンツを特定の国や言語、地域、文化、宗教、法律などに合うように対応すること
Calbee Australia


オーストラリアのカルビーは、商品からして日本と全然違います。
以前は、ポテトチップスも販売していましたが、今はアジア圏(中国やシンガポールなど)から輸入したポテトチップスを販売しています。
したがって、フレーバーは全然違いますが、パッケージデザインは日本のパッケージデザインに寄せています。
オーストラリアのスーパーの商品陳列棚を見て思うのは、大手メーカー商品が棚を占領していて、新規メーカーの参入が難しいと言うことです。
それもあってか、Calbeeはオーストラリアでは、ポテトチップスからヘルシー嗜好向けスナックへシフトチェンジしています。
主軸としている商品は、HARVEST SNAPPというヘルシー系スナックです。
日本のカルビーで売られている、さやえんどうスナックとほぼ同じ商品です。
日本のさやえんどうスナックと比較すると、パッケージデザインが全然違いますよね。
ヘルシーを前面に押し出したパッケージデザインになっています。多分、その方が消費者の購買意欲を掻き立てるのでしょうね。
フレーバーは3種類、オリジナルソルト、ソルト&ビネガー、チリがあります。基本的に日本より味濃いめですが、美味しいです。
逆輸入ということで、オーストラリア土産として購入してみるのも面白かも知れませんね。
スーパーで購入できるおしゃれなオーストラリア土産のアイディアは、以下の記事をご覧ください。
因みに、オーストラリアのHealthy Food Special Diet AwardsのPlant Based部門にCalbeeのHarvest Snaps(オリジナルソルト)が選ばれています。

Calbee・オーストラリアのブランディングは、ヘルシースナック専門ブランドとしての地位を確立しようとしているようですね。
HARVEST SNAPSは、日本で扱っているさやえんどうスナックとほぼ同じ商品なのに、海外で売り方を変えて成功しています。
オーストラリアというか欧米では、ポテトチップスやコーンチップス以外のベジ系スナックは、ヘルシー系に分類されるのかなと感じました。
感覚的に罪悪感が少ないスナックという感じなのでしょうか。
スナック菓子には変わりないんですけどね。まんまとオーストラリア人はマーケッターに心理操作されています。笑
Calbee US

アメリカのCalbeeはというと、オーストラリアと同じHARVEST SNAPS というヘルシー系スナックも販売していますが、オーストラリアのパッケージデザインとまた少し違います。
何というか、ファームっぽい野菜ですよぉって感じのデザインになっています。
こちらの方が、アメリカ人にとってはよりヘルシーを連想させるのでしょうか。面白いですよね。

しかし、アメリカはオーストラリアと比べその他のCalbeeのスナック、例えばポテトチップス、じゃがりこ、じゃがビー、かっぱえびせんなども購入することが出来ます。
ものによって日本と同じパッケージデザインもありますが、ローカライズされているものもあります。
かっぱえびせんは、日本のパッケージデザインとはかなりかけ離れていますね。日本のデザインの方が、躍動感があって美味しそうに見えますよね。
SUNTORY

少し前までは、オーストラリアでSUNTORYと言えば、山崎(ウィスキー)の方が認知されているイメージでした。
最近ではオーストラリアでも、SUNTORYのウィスキー・ビール以外のドリンクも段々と購入できるようになってきて、BOSS缶コーヒー、ー196が購入できるようになりました。
BOSS・−196両者共に商品のフレーバー、パッケージデザインは、日本のパッケージデザインとそこまでかけ離れてはいませんが、やはり少しローカライズされています。
しかし、CMは相撲力士、芸者などが出ていたりして日本を前面に押し出しています。
オーストラリアでもあまり見ないCM作りになっていて、逆に新鮮で面白いです。
世界共通ブランディングの日本企業
少しですが、グローバル展開する企業で世界共通のブランディングの日本企業をご紹介します。
SHISEIDO(資生堂)


言わずとも知れた、日本を代表する化粧品ブランドSHISEIDOも、グローバル進出しています。
空港のDuty Freeで購入することもできますよね。SHISEIDOがグローバル展開している商品は、生粋のSHISEIDOブランドの化粧品のみです。
残念ながら、SHISEIDO AUSTRALIAのオフィスは閉されてしまいましたが、今も販売はしています。
全世界共通で高級路線のブランディングで、パッケージデザインもローカライズされること無く、日本を含め全世界共通です。
資生堂最高峰ブランド・Clé de Peau Beauté(クレ・ド・ポー ボーテ)もグローバル展開していますが、オーストラリアには上陸していません。
SHISEIDOのプチプラ化粧品は、グローバル展開していないですね。これもブランディングの一環なのでしょうか。
SKⅡ

こちらも日本が誇る高級化粧品ブランドで、オーストラリアでも人気があります。
オーストラリアのデパート化粧品売り場には必ずあります。SKⅡオーストラリア本社は、シドニーにあります。
日本と同様世界でもSKⅡは、高級化粧品としてブランディングを確立しています。
パッケージデザインも全世界共通です。
CMは以前は、オーストラリア人女優を起用していましたが、今は日本と同じ女優の綾瀬はるかさんが起用されています。
UNIQLO


今でこそUniquloは、グローバルで大成功を収めていますが、そこに至るまでには紆余曲折がありました。
まず、ロゴ変更からのリブランディングが、日本だけで無くここまで世界に受け入れられるブランドへと成長したのだと思います。

『UNIQLO』のコンセプトは「LIFE WARE : 究極の普段着」で、シンプルかつ高品質な商品で、年齢・性別や人種などに関わりなく広いターゲット層を確保。
高級ブランドとのコラボも、昔の安くてダサい服というイメージから脱却することが出来た理由の一つでしょう。
個性を抑えた汎用性の高い「究極の普段着」としての地位を築いています。
MUJI


MUJIもUNIQLO同様、紆余曲折の末、グローバルで大成功を収めています。オーストラリアでも、感度の高い人達を中心にかなり人気があります。
オーストラリアでは、最近やっと食品系が買えるようになりました。
私は、MUJIのカレーシリーズが大好きなんですけど、オーストラリアでバターチキンカレーだけですが買えるようになって嬉しいです。
でも、高いです。
シンプルでありながら普遍的なデザイン、高品質を追求するこの日本のブランドが、グローバルでも受け入れられるのは納得です。
国によって売れ筋は違えど、扱っている商品は日本のものと同じです。従って、ブランディング並びにデザインは、全世界共通です。
ただウェブデザインに関しては、日本のデザインとは全然違います。
まとめ
今回は、ロート製薬のHADA LABOのグローバルブランディングをきっかけに、グローバル進出している日本企業のブランディング(デザイン)についてご紹介しました。
企業としてはブランディング(デザイン)を全世界共通にする方が、コスト面や認知度を高める上で断然に効率が良いです。
しかし、進出する国によってはローカライズさざる得ない場合もあります。
ロート製薬のHADA LABOは、海外では暫くはこのブランディングでやっていくことでしょう。
海外での認知度が上がった暁には、リブランディング若しくは今の日本のHADA LABOと共通にしてくれることを勝手に期待しています。
今回の内容が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。
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